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BZ系薬剤の減量と離脱症状

01 BZ系薬剤の減量と離脱症状

BZ系薬剤は、長期間服用すると依存を形成します。依存が形成されてしまうと、薬を減量したり、中止することが非常に難しくなります。
これは、不眠や不安症状のために長期間BZ系薬剤を服用し治療してきた方が、症状が改善されたので、そろそろ減量していこうという場合、薬の減量方法を誤ると前述したように「離脱症状」というとても不快な症状が現れてしまい、その症状を抑えるために、もとの用量にもどすしかなく、結局減量できない、という状況です。
BZ系薬剤の減量は、離脱症状が起きないよう、または起きても我慢できる範囲内で、ゆっくりと時間をかけて行う必要があります。
減量の際は、次世代睡眠剤を減量前に投与しておくと減量がスムーズにいく事が多いです。
そして、薬の減量は患者様の自己調節で行うのではなく、医師と相談しながら行うことが大切です。

離脱症状診察

02 BZ系薬剤の減量方法

<その1>薬を切りかえてから減量する方法

BZ系薬剤の中でも「作用時間の短い薬」や「力価の高い薬(少量の薬で効果を強く実感できるもの)」を減量する場合、離脱症状を感じやすいと言われています。
一方、「作用時間の長い薬」や「力価の低い薬(ある程度の量の薬で効果を実感できるもの)」の減量は、離脱症状を感じにくいとされています。よって、服用している薬が、作用時間の短い薬や力価の高い薬であるなら、まず作用時間の長い薬や力価の低い薬に切りかえ、その後ゆっくりと少しずつ減量していくと良いでしょう。
(臨床的には、この方法をとる事は少ないです。但し、Bz系薬剤が2剤使用されている場合は、「作用時間の短い薬」や「力価の高い薬(少量の薬で効果を強く実感できるもの)」から減量していく方法を取ります。)


その2ゆっくり、少しずつ、長期的に減量していく方法

この方法は、2週~1ヶ月で4分の1錠~2分の1錠ぐらいずつ減らしていき、途中で離脱症状が出てしまったら、しばらくその量を維持します。症状が落ちついたら減量を再開します。十分減ったら、今度は3日に1回飲まない日を作り、その後2日に1回飲まない日を作る、とういうように服用頻度を徐々に減らしていきます。


いずれの場合も、次世代睡眠剤を投与してから減量を開始していく方が減量はスムーズにいく事が多いです。
デエビゴを例にすると、5mg 0.5T(2.5mg)ずつ付加して5mg 1Tへ増量してから、BZ系薬剤を減量するのが良いと思われます。



<BZ系薬剤をオレキシン受容体拮抗薬(デエビゴ)に置換する場合の一例>

BZ系薬剤をオレキシン受容体拮抗薬(デエビゴ)に置換する場合の一例