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統合失調症の症状は?

01 統合失調症の症状は?

統合失調症の陽性症状

<陽性症状>

急性期に現れやすい症状で、『本来ないものがあるように感じる症状』で知覚・思考・行動・言動の異常が急性増悪的に出てくる深刻な症状です

1)幻覚
本人を卑下する悪口が聞こえる幻聴症状が多くみられます。
『~しろ』といった命令形の事もあります。

2)妄想
『みんなが嫌がらせをする』等の被害妄想が多いです。
『家に盗聴器が仕掛けられてる』『家を監視されている』といった常に監視されている妄想(注察妄想)もよくみられます。

3)思考障害
考えのつながりが悪くなり、言動に影響がでて考えられなくなってくる。
増悪すると文章のつながりが全く不明な滅裂な思考になります。
『ドライブがしたい。昨日の食事はハンバーグ。兄は会社員。家の猫は黒い。信号機が壊れる。私はキリスト。』

4)自我障害
人は、考えるにせよ、感じるにせよ、行動するにせよ、『私がしている 私のもの』という能動性の意識が伴っています。
能動性が減弱して、自分と他者との境界が曖昧になり、他者に思考や行動を支配されるような感覚がある障害を自我障害といいます。

・思考伝播(さとられ体験)
自分の考えた事が周囲に伝わってしまうと感じる
・作為体験(させられ体験)
誰かに操られて行動してしまう
・思考奪取
自分の考えが他人に引く抜かれたと感じる
・思考吹入(しこうすいにゅう)
誰かの考えが自分に吹き込まれたと感じる

5)緊張病状態
興奮して、目的と意味的連関のない突発的、衝動的行為を呈します。
昏迷は話しかけや身体的刺激に反応しなくなる状態です。
昏迷は意識障害ではないので、患者さんはある程度無反応中の外界の様子をおぼえています。
興奮と昏迷を繰り返すのが特徴です。

6)病識欠如
自分が病気であることを認められない状態です。
これにより治療を積極的に受けなくなってしまいます。
統合失調症だけでなく、双極性障害・認知症等の他の精神疾患でもみられます。

統合失調症の陰性症状

<陰性症状>

発症して病状がある程度経過してから生じる症状であります。『本来あるべき能力』がなくなったり、低下していったりする状態です。


1)感情鈍麻
喜怒哀楽が乏しくなり、意欲や集中力も減退して外界の出来事に無関心になる。

2)思考の低下
考えなくなり、言葉数は少なくなり会話が薄くなる

3)疎通性の欠如 無為 自閉
コミュニケーションに支障を生じ、他人との関わりを避け、ボーとして無関心状態で過ごす日々が続き、引きこもってしまう

統合失調症の認知機能障害

<認知機能障害>

注意力・記憶力・理解力・物事を処理する力・集中力・物事を計画して遂行する力・問題を解決する力など、知的な能力が障害されることです。

1)集中力・注意力低下
仕事・家事・勉強などの特定の対象に集中して注意を払う事が難しくなる
注意が散漫になって集中することが困難となる

2)記憶力
物事を憶えていく能力が低下していく

3)情報処理能力・遂行機能低下
仕事や家事の手順等がわからなくなり、遂行できない