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認知症とは

認知症はとても身近な病気です。


認知症の人と家族が安心して暮らせるよう
一人ひとりが認知症を正しく理解し、地域で支え合っていくことが大切です。

01早期の診断と治療が大切

原因となる病気によっては、治療などにより進行を遅らせることができ、 早期の診断・治療により健康な時間を長くすることができます。病気が理解できる時点で受診し、 少しずつ理解を深めていくことで生活上の障害も軽減でき、その後のトラブルを減らすことも可能です。 障害の軽いうちに障害が重くなったときの後見人を自分で決めておく(任意後見制度)等の準備や手配をしておけば、 認知症であっても自分らしい生き方を全うすることが可能です。

02早期診断のメリット

準備ができる

早期の診断を受け、症状が軽いうちに、本人や家族が病気と向き合い話し合うことで、 介護保険サービスの利用など今後の生活の備えをすることができます。

治療ができる

認知症を引き起こす病気には、早めに治療すれば改善可能なものもあります。 早めに受診して原因となっている病気の診断を受けることが大切です。

遅らせることができる

原因となる病気(アルツハイマー病や脳梗塞・脳出血など)によって、治癒方法が異なります。 適切な治療を受けることにより、進行を遅らせることができる場合もあります。

03認知症は誰でもかかる可能性のある脳の病気です

認知症は誰でもかかる可能性のある脳の病気です。
栃木県の認知症高齢者は、約8万人。
平成37年には約12万人に達すると推計されます。

※1)介護保険制度を利用している「認知症高齢者の日常生活自立度」II以上の方を指します。

※2)栃木県高齢者支援計画「はつらつプラン21」より引用

04家族が作った認知症早期発見のめやす

日常の暮らしの中で、認知症の始まりではないかと思われる言動を「認知症の人と家族の会」の会員の経験からまとめたものです。医学的な診断基準ではありませんが、暮らしの中での目安として参考にしてください。くつか思いあたることがあれば、早めに専門家に相談してみましょう。

認知症チェック「認知症の人と家族の会」作成

Check.1もの忘れが目立つ

・今切ったばかりなのに電話の相手の名前を忘れる
・同じことを何度も言う・問う・する
・しまい忘れ・置き忘れが増えいつも探し物をしている
・財布・通帳・衣類などを盗まれたと人を疑う

Check.2判断・理解力が衰える

・新しいことが覚えられない
・話しのつじつまが合わない
・料理・片付け・計算・運転などのミスが多くなった
・テレビの内容が理解できなくなった

Check.3時間・場所がわからない

・束の日時や場所を間違えるようになった
・慣れた道でも迷うことがある

Check.4人柄が変わる

・些細なことで怒りっぽくなった
・日課や趣味をしなくなる
・意欲がなく、ぼんやりしていることが多い
・自分の失敗を人のせいにする

Check.5不安感が強い

・外出時に持ち物を何度も確かめる
・「頭が変になった」と本人が訴える
・1人になると怖がったり寂しがったりする

Check.6意欲がなくなる

・下着を替えず身だしなみを構わなくなった
・趣味や好きな番組に興味を示さなくなった
・ふさぎ込んで何をするのもおっくうがり、いやがる

公益社団法人 認知症の人と家族の会

電話相談  tel. 028-666-5166
月~金曜日 13:30~16:00

1980年結成。全国47都道府県に支部があり、1万1千人の会員が励ましあい、 助け合って「認知症があっても安心して暮らせる社会」を目指しています。

栃木県支部
代表者 金澤 林子
住所 〒321-3235 宇都宮市鐺山町894-6
電話番号 028-666-5166

05「老化によるもの忘れ」とは異なります

認知症とは、いろいろな原因で脳の細胞が損傷を受けたり働きが悪くなることで、 認知機能が低下し、さまざまな生活のしづらさが現れる状態(およそ6か月以上継続)を指します。

06中核症状と周辺症状

認知症の症状は、中核症状と性格や環境によって生じる数編症状に分けられます。

07認知症の種類と主な症状

アルツハイマー型認知症

脳の神経細胞に異常なたんぱく質がたまり細胞が破壊されて、脳が委縮する病気。委縮の場所と程度によって、認知症のさまざまな症状が現れます。

症状

・少し前のできごとを忘れる

・同じことを何度も言う

・帰り道がわからなくなる

・同じ物を何度も買ってくる など

脳血管性認知症

脳の血管が詰まったり(脳梗塞)、破れたり(脳出血)して血流が途絶え、脳細胞が死滅するために起こる認知症。

症状

・もの忘れが多い

・転びやすい

・意欲が低下する

・手足がしびれる

・急に泣いたり怒ったりするなど

レビー小体系認知症

レビー小体と呼ばれる異常なタンパク質のかたまりが脳内の神経細胞にたまる病気。初期には、物忘れが目立たないことが特徴です。

症状

・子ども・虫が見えたりする(幻視)

・手足の動きがにぶくなる

・夜間に寝ぼけて大声を出す

・日によって症状の程度が違うなど

前頭側頭型認知症

前頭葉と側頭葉を中心に脳が徐々に萎縮する病気。非常識な行動(万引き・暴力)が出たり、言葉の意味が分からなくなってくる。

症状

・同じ時間に同じ行動を繰り返す

・なめらかに話をすることができない

・言葉の意味がわからなくなる

・非常識な行動など

08認知症の種類と割合

※それぞれが軽症でも、重複すると認知症の発症が早まります。一人の脳の中で、いくつかが重複している場合が大半です。

09病院に行く前に知っておきたいあれこれ

Q.なぜ医師の診断が必要なの?

認知症の症状が見られる場合でもその原因やタイプによって、その後の生活上の注意点や治療方法も変わってきますので、その見極めのために医師の診断が大切です。
何かの病気が原因で認知症の症状が見られるのであれば、その病気の治療が必要となります。

Q.何科に行けばいいの?

一般的には神経内科、精神科、心療内科、脳外科、あるいは「もの忘れ外来」というような専門外来で診てもらえます。何科を受診したらよいか迷った時はかかりつけ医に相談して紹介してもらってもよいでしょう。

Q.どのようにして検査するの?

一般的には、医師と対面して問診で診断します。そのほか、記憶や認知機能の程度を調べる検査や、 脳の状態を視る画像検査(CTやMRI)が行われることもあります。

■出典

塩谷地区介護・認知症ケアパス(塩谷郡市医師会)