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海馬とは?

まず記憶について説明をします。
記憶は、その【内容】と【時間】の2種類に分類されます。

01 記憶の内容による分類

02 記憶の時間による分類

03 海馬はどこにあるか?

海馬は、どの記憶にも関わってくるが、 特に短期記憶に密接に関連してくる

04 海馬の働き

05 海馬の働き

短期記憶を長期記憶にするかを選別[1]自分にとって有用かどうか選別
[2]感情とリンクした記憶は憶えてしまう。
喜怒哀楽の中で特に嫌な記憶程残る
長期記憶にする記憶を大脳に送って保存主に側頭葉が多い
送ったら海馬に記憶はなし
パソコンの保存に相当

06 海馬の特徴

(1)海馬は数を増やす事が可能脳細胞の中で唯一数が増える
脳を気持ちよくさせること(快刺激と)
脳を鍛えること(脳トレ)が大切
(2)弱点は酸欠とストレスアルコールは大脳に影響

07 海馬の障害

08 海馬障害の検査

頭部CT・頭部MRIの施行が必要であるが頭部MRIの方が有用
萎縮所見がみられる

MRI検査

※図1 正常例とアルツハイマー症(T1強調画像冠状断)

左から通常例、初期のアルツハイマー病例、進行期のアルツハイマー病例の画像を示す。 下段には海馬の拡大を示す。海馬、海馬傍回の萎縮にともなって、海馬溝/鉤溝(矢印)や側副溝(矢頭)が拡大していき、側脳室下角が拡大してく。 また、海馬溝と脳底部とで形成する角度が大きくなっていく。

海馬萎縮の数量的評価=VSRAD

VSRDの値萎縮に対する評価アルツハイマー型認知症のリスク
0~1ほとんど問題なし心配なし
1~2やや萎縮が出現している過観察が必要
2~3かなり萎縮が強いアルツハイマー型認知症が疑われる
3以上きわめて萎縮が強い治療が必要
  • このMRI画像解析ソフトを利用すると、海馬のみならず大脳全体の萎縮を客観的に数字で評価できる。
  • VSRADはMRIで撮影した画像を利用して、正常例と検査対象者の脳を比較して萎縮の度合いを数字であらわす

海馬の萎縮所見=アルツハイマー型認知症ではない

  • 脳CT・MRI所見は、あくまで補助診断であり、認知症はあらゆる面から総合的に診断される。
  • 萎縮所見は認知症診断の、1つの所見にすぎない。

⇒患者様は萎縮所見があったからといって落ち込む必要はありません。

■出典・引用

  1. 『認知症の正しい理解と包括医療・ケアのポイント第2版』協同医書出版社 山口晴保編集
  2. 『神経MRI診断学』株式会社CBR 伊藤彰一著
  3. 『海馬〜脳は疲れない〜』株式会社朝日出版  池谷裕二・糸井重里著